あらゆる全ての動物が人間と全く同じ権利を持つ、という主張があります。
全ての動物は開放されなければならない――家畜を小屋や柵に入れて飼うのはもちろん、
水族館や動物園の動物も、更にはペットとして飼うことすら虐待とみなす主張もあります。
また、動物の権利・愛護の立場から、皮や毛皮の製品(ベルト・靴・バック・コート等)や、
シルクの製品さえ持たない、という主義もあります。どのような事にも主義・主張を持ち、
自分を律する事は決して悪い事ではありません。多様な意見や考え方が共存する世界は
健全であると言えましょう。しかし人はそれぞれ自由に主義・主張を持つのが自然の
姿なのですから、それぞれの主義の押し付けは避けるべきです。
人間は現実問題として、残念ながら他の動物の犠牲無くしては、生きる事が出来ません。
大切なのは“命あるものを犠牲にしている”という自覚です。動物の犠牲を大切に扱う、
無駄無く活かすという心があって、初めてそれが許されるのです。
ふわふわとした毛皮の感触、その優しい温もりは人の心を和ませる “ヒーリング(癒し)”の
効果があると言われています。超高齢化社会を迎えた今、身も心も温めてくれる毛皮は自然の
恵みとして、一層その良さが認められていく事でしょう。また、土に還る天然素材である毛皮は、
地球環境保全やエコロジーの観点からも最適な素材と言えます。日々の生活の中で毛皮を
活用したいと思われる方がいるのなら、その人の“選択の自由・活用の権利”は
認めなければいけません。
ファーサロンでは、多様な考えを理解しながら、伝統ある毛皮という生活文化産業を、
動物への尊厳と環境保全に心を配り、持続可能な利用を守り、誇りを持って後世に
伝えていきたいと考えています。 |